Sex Pistols(セックス・ピストルズ)を紹介するなんて、ちっともコアなレビューではありませんね。
「ロックの一つとして」もはや古典ともいえるセックス・ピストルズの唯一のアルバム。
『Never Mind The Bollocks Here's The Sex Pistols』については説明不要でしょう。
| Never Mind the Bollocks Here's the Sex Pistols | |
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(『God Save The Queen』)
ちなみに2008年のサマーソニックでの復活。。。
怖いもの見たさはあったのですが、結局は見ませんでした。
たった1枚のアルバムと3枚のシングル、2年足らずのわずかな活動期間で、
その後ロックの歴史を決定的に変えてしまったセックス・ピストルズ。
そのセックス・ピストルズがロックの大御所あつかいされるという、
時代の変遷にノスタルジーを覚えるよりも、一抹の寂しさを覚えます。
少なくとも、音楽を聴き始めて、ロックを聴き始めて
すぐにセックス・ピストルズ出会って、少年時代の鬱屈したエネルギーの
代弁者として、その音楽に、そのあり方にのめり込んだ私としてはなおさらです。
セックス・ピストルズのバイオグラフィーを紐解くとこんな感じ。
ニューヨーク・ドールズ解散をもってマネジャーを退いた、
マルコム・マクラーレンはロンドンでブティックを経営。
しかし、退屈で鬱屈していたこの都市でマルコム・マクラーレンは、
次なる花火を打ち上げようと考えていた。
そんな、マルコム・マクラーレンが目につけたのが当時、彼のブティックに
入り浸っていた4人の若者。
ジョニー・ロットン(ヴォーカル)、スティーヴ・ジョーンズ(ギター)、
ポール・クック(ドラムス)、そして、ブティックの店員であった
グレン・マトロック(ベース)で1976年『セックス・ピストルズ』を結成する。
プログレッシブ・ロックなど、理論や技術が重視されていた当時のUKロックシーンにおいて、
荒削りで攻撃的な演奏。ボロボロの衣服に、紙を逆立てたファッション。
音楽産業や、政治、王室にいたるまで、反抗と非難の対象とした歌詞や発言。
"良識的"は大人からは非難と軽蔑の対象にされ、
"怒れる若者"からはヒーローとなり、一躍時代の寵児となったセックス・ピストルズ。
特に、セックス・ピストルズに対する"反感"凄まじく、
保守派からの排斥運動。プロクレミュージシャンからはレーベル契約を反対され。
右派からの暴力で、メンバーが重症を負うという事態に発展。
(ちなみのMI5も「反乱分子」と認めていたそうで。。。)
しかし、セックス・ピストルズが"大人"たちから反対されればされるほど
若者たちは熱狂的に彼らを支持するのだった。
そんな中、ベースのグレン・マトロックが「真面目すぎて態度が悪い」という
理由から、クビにされ代わりに伝説的パンク・ロッカー、シド・ヴィシャスが加入。
シド・ヴィシャスの加入でファンの人気は決定的になるものの、バンドには
暗い影落とすことになる。
社会との軋轢、メンバー間の不和、マルコム・マクラーレンの思惑
様々な問題を抱えたまま慣行された、アメリカツアーの最中、ジョニー・ロットンが
突如バンドを脱退。結成後わずか2年足らずでセックス・ピストルズは
事実上解散していまう。
こんな具合に、セックス・ピストルズはそのセンセーショナルで短い活動に幕を閉じるのですが、
これを「レジェンド」と片付けてしまうのはあまりにも、"滑稽"過ぎます。
当時のイギリスの社会状況と音楽事情。
閉塞した世間に対する、若者たちのやり場のない怒り。
セックス・ピストルズはそれらを打破するものであり、必然でした。
ザ・クラッシュやザ・ジャムなどセックス・ピストルズに続くバンドの出現、
そして、後のポスト・パンク、ニューウェイヴの出現。
UKロックが最も輝いていた時期を生み出したのは紛れも無く、セックス・ピストルです。
だからこそ、セックス・ピストルの波乱に満ちた軌跡が輝いているのです。
残念ながら、サマーソニックでの彼らがどんなパフォーマンスを披露したか知りません。
しかし、当時の世界とサシで向かいあっていた破天荒さはもう二度と見れないものでしょう。
ちなみに、「破壊的」と言われているセックス・ピストルズの音楽ですが、
今日的視点で改めて聴いてみると、意外と楽曲としてしっかりしています。
ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルという4ピースバンドでありながら
ポップなメロディに以外に複雑なギターアレンジ。
絡みつくようなヴォーカル。
リズム隊も重厚でズシズシとせまってきます。
オープングナンバーの『Holidays In The Sun』から
聴く者をスピード感あふれた世界に誘い込み、
『Bodies』、『No Feelings』とドライブ感溢れたナンバーで
テンションを盛り上げ、そして名曲『God Save The Queen』、
『Anarchy In The U.K.』とつながっていく展開は秀逸。
特に『God Save The Queen』の"No future!"という名フレーズは
バンドとしての演奏の確かさ、楽曲としての完成度の高さがあるからこそ、生まれたもの。
まぁ、当時の彼らにどれだけ技術と素養があったか怪しいのも事実で、
プロデューサーの手腕によるものが大きいのでしょうけど、
後にジョニー・ロットンがジョン・ライドンを名乗り、PILを結成し、
ポスト・パンクの旗手として活躍していく事を鑑みるに、
セックス・ピストルズが単なる「レジェンド」なバンドで無いのは確かです。
ちなみに、セックス・ピストルズ解散後、上で挙げた通り、
ジョニー・ロットンはジョン・ライドンと改名し、PILを結成。
アフリカ音楽、テクノ、ハードロックと多種多様な音楽性で独自の路線を
歩むことになりますが、現在、PILは解散状態。
現在はコメディアンをしているとの事。
シド・ヴィジャスは、恋人を殺害した嫌疑をかけられたまま、
麻薬の過剰摂取で1979年帰らぬ人に。
その他のメンバーはそれぞれ、平穏な人生を送っているようで。。。
そう考えると、今彼らが何思ってセックス・ピストルズを再結成したのか
やはり気になるところではあります。
とは言え、ロックの歴史を変えた『Never Mind The Bollocks Here's The Sex Pistols』。
単に、教科書的な意味合いでなく、純粋にロックとして楽しめるのは確かです。
パンクといって敬遠していた人も、この機会に聴いてみてはいかが?




