90年代の幕開け。
Rage Against The Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)のファーストアルバム
『Rage Against The Machine』のアルバムジャケットと
オープニングナンバーの『Bombtrack』を初めて聴いた時の
衝撃は今でも忘れられません。
| Rage Against the Machine | |
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(Bombtrack)
この、ジャケットアートで使われている写真は、南ベトナム政権の
仏教徒差別に反対するため焼身自殺をした僧侶ティック・クアン・ドックその人。
そのあまりにも過激なジャケットアートと、強烈なサウンドに
当時は、ただ呆然とするのみでした。
しかし、その衝撃は新しいロックの夜明け。
ミクスチャー・ロックの夜明けを伝えるものでした。
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは、1990年~2000年まで、ロサンゼルスで
活躍したロックバンド。
ジャケットアートが語る通り、政治的色の強いメッセージと、
アメリカ国旗を逆さにつるすなどの過激なライブパフォーマンス。
そして、骨太で硬質なサウンドで注目を集めました。
この『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン』は92年に発表した彼らの
ファーストアルバム。
デビューから解散に至るまで、一貫した姿勢を貫き続けた、
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのサウンドエッセンス。
ファーストアルバムにして、そのエッセンスがこれでもかというほど凝縮された傑作です。
シンプルでソリッドなリフを奏でるギターサウンドは、あくまでもヘヴィで硬質。
五体どころか内臓にまで響き渡る、ベースとドラム。
もはや、アジテーションともいえるラップ。
シンセサイザーに頼らず、ロックバンドとしての最小構成でたたき出される
サウンドは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの攻撃性にさらなる磨きをかけ、
聴く者の心臓に突き刺さります。
Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリペッパーズ)など同時期のバンドに比べ、
その姿勢はあまりにも、真撃。
そして、前にも後にもこれほどまで、ロックと政治的なメッセージを結びつけ、
なおかつサウンドとしても、一流の完成度を誇ったバンドは、
このレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンだけでしょう。
事実、白人至上主義者やカルトの脅迫や妨害。
9.11テロ後には、メディアから放送自粛をされるなど
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは今尚、"異端"として扱われ続けます。
しかし、私は当時Rレイジ・アゲインスト・マシーンにこそ、
新たな希望を見出してました。
1990年当初、パンクなどとっくに終わり、その後のニューウェイヴも終わり、
もう自分の心を揺り動かす音楽はないものと、ある種、絶望にも似た諦観を抱き、
(もっとも絶望感の中で生まれたのが"パンク"なのですが。。。)
私自身もとっくに少年を卒業し、社会の矛盾にそれなりに
迎合する術を見につけはじめていました。
一方、当時の世間と言えば、世の中は矛盾や欺瞞に溢れているのは明白で、
そんな中、声高々に"正義"を掲げたとしても、これも又、欺瞞という
しらけた空気に覆われていました。
冷戦の崩壊、湾岸戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ。。
EU統合への期待と不安。。。
明らかに、世界が袋小路に入り始めているのに、
それに抵抗できないもどかしさ。。。
グランジに代表されるように、多くのバンドが内省的になっていくロックシーン。
そんな中、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは鮮烈に私の目の前に現れます。
その、悪あがきともとれる真撃さ、
異端と呼ばれることを恐れない高潔さに心惹かれました。
何よりも、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンはほとんど同じ年と
言っていいほど同世代。
同じ希望を抱き、同じ絶望を感じ、それでも尚あがき続ける
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。
同時代人として、これほど心強い存在はありませんでした。
結果的に、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンは解散し、
(2008年に再結成しますが、)彼らの闘争は一旦幕を閉じたかのように
思われてます。
事実、私もレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの解散を機に、
ロックから離れていきます。
しかし、今日、Linkin Park(リンキン・パーク)や、
System Of A Down(システム・オブ・ア・ダウン)などのフォロワーを生みだした事を
鑑みると、レイジ・アゲインスト・マシーンの闘争は、今だ終わっていないのだと痛感します。
『Rage Against The Machine』それは、終わりなき闘争の狼煙なのです。




