今回紹介するのは、Echo & the Bunnymen(エコー&ザ・バニーメン)の
『Porcupine』(邦題:やまあらし)。
前回のCocteau Twins(コクトー・ツインズ)『Treasure』に引き続き、80年代UKロックと
なるわけですが、このグループは、私が少年時代に最も愛聴したグループです。
| ポーキュパイン(やまあらし) | |
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動画は『Porcupine』のオープニングを飾る『The Cutter』
Echo & the Bunnymen(エコー&ザ・バニーメン)は、78年に
イアン・マッカロク(Vo)を中心に、リバプールで結成したバンド。
80年にファーストアルバム『Crocodiles』を発表。
硬質なギターサウンド。イアン・マッカロクの幽玄なヴォーカル。
デビュー当時から、数多のバンドの一歩先を抜きんでた強烈な個性。
その独自の音楽性と、イアン・マッカロクの歯に衣着けない発言も相まって
ネオ・サイケブームの波に乗り、一躍当時のUKシーンの中心的な存在となります。
この『Porcupine』は83年発表のEエコー&ザ・バニーメンのサードアルバム
ネオ・サイケブームの影響から脱却すると同時に、彼らの人気を決定づけた
傑作アルバムです。
デビュー作『Crocodiles』、前作『Heaven Up Here』とネオ・サイケ色の強い
硬質ながらも、深淵な陰影のあるサウンドだった、エコー&ザ・バニーメン。
しかし、『Porcupine』は全編に渡りポップで躍動感あふれるサウンドに溢れ、
エコー&ザ・バニーメンの最高傑作とも、80年代UKロックの代表する名盤とも言われています。
ソリッドなギターに、ストリングスや民族音楽など複雑で多様な要素の組み合わせは、
元々、凍てつくようなエコー&ザ・バニーメンのサウンドを更に冷たく研ぎ澄まします。
そして、イアン・マッカロクの時に儚く、時に攻撃的に歌いあげるヴォーカル。
それらの要素が絡み合いながら、鋭利な刃物の如き緊張感をアルバム全編に漂わせてます。
そして何より、インド人ヴァイオリニスト・シャンカールの起用が
音コントラストを鮮烈に際立たせてます。
モノクロだけと極彩色。
繊細で攻撃的。
クールでホット。
均整と奔放。
めくるめく音のプリズムが、洪水となって押し寄せるサウンド。
それらが誘う興奮と快楽に、少年時代の私は酔いしれたものです。
『Porcupine』を発表後、さらに傑作アルバム『Ocean Rain』
(ネオ・アコースティックブームに対するエコー&ザ・バニーメン一流の回答)を発表。
しかし、以降エコー&ザ・バニーメンは急速に失速し、イアン・マッカロクの脱退、
ドラマーのピート・ディ・フリータスの事故死などで事実上の休止状態となります。
これらの経緯がエコー&ザ・バニーメンの歴史にある種の影を落としているのか、
U2やCURE(キュアー)、THE SMITHS(ザ・スミス)など他の同時期のバンドに比べて、
メディアからの評価は決して高いものではありません。
事実、私自身も、エコー&ザ・バニーメンの失速を目の当たりにし、徐々にその興味を失い、
そして、ついには忘却してしまった一人です。
しかし、20年以上経過し、改めてこの『Porcupine』を聴いてみた時、
今日も尚、鮮烈な輝きを放つサウンド。
当時、多のグループが羨望や嫉妬さえ抱いたという強烈な個性と独自の境地に
現在のエコー&ザ・バニーメン対する評価が不当なまでに低いと感じてしまいました。
長らく沈黙していたエコー&ザ・バニーメンですが、97年に復活。
2001年のフジロック・フェスティバル、2005年にはサマーソニックに出演。
30年経って尚、その健在ぶり発揮してますが、かつて程の評価は得ていないのも事実。
しかし、この『Porcupine』を含めエコー&ザ・バニーメンnのサウンドを
一過性のレジェンドとして片づけてしまうのはあまりにも惜しい。
改めて、再評価すべき80年代UKロックの至宝。
それが、Echo & the Bunnymen(エコー&ザ・バニーメン)とこの『Porcupine』です。




