- 2008年8月1日 9:45 PM
- Rhythm and Blues・Soul | レヴュー | 音楽レビュー
「内なる像」それとも、「心に映るもの」。。。
タイトルを直訳すると、そうなるのでしょうか?
Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)の『Innervisions(インナー・ヴィジョンズ)』。
このアルバムは、ジャケットアートを見た瞬間、即、購入してしまいました。
| Innervisions | |
![]() |
Stevie Wonder
Uptown/Universal 2000-03-21 おすすめ平均 |
1973年発表。
その年のグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞した、
Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)の最高傑作と称されるアルバムです。
ちなみに動画はアルバムの中でもイチオシの名曲『Golden Lady』。
さて話を冒頭に戻しますが、このジャケットアート。
恐らく、数あるアルバムジャケットアートの中でも最高の部類に入るでしょう。
目の不自由なスティービー・ワンダーの両目から放たれる光。。。
果たして、その先に映るものは一体なんなのでしょうか。
スティービー・ワンダー自身の『Innervisions』なのか、それとも
このアルバムを聴いた人たちの『Innervisions』なのでしょうか?
皆の「心に映るもの」は一体なんなのでしょうか?
まるで、ジャケットアートが、そう問いかけてるかのようです。
ジャケットアートに劣らず、楽曲もスティービー・ワンダーならではの
強くも優しさに溢れたメッセージで彩られています。
そして、楽曲も珠玉の極みとも言える、粒ぞろいの名曲が揃っています。
70年代の「NEW SOUL」ムーブメント。
当時のアメリカが抱えていた、人種差別、雇用問題、戦争などといった問題
それらの苦悩を多くのミュージシャンが歌い上げていました。
この『Innervisions』は、そんな最中生まれたアルバムです。
しかし、『Innervisions』には、その様な重いテーマを歌う、陰鬱さ
悲哀があまり感じられません。
むしろ、苦しさの中で「愛」を歌い上げる「暖かさ」に満ち溢れています。
とは言え、決して通り一辺倒に「愛」を説いた、チープなメッセージではありません。
非常にソリッドで、エッジの利いた「愛」です。
オープンニングはシンプルながらも力強いファンクナンバーの『Too High』
そして、優しさ満点の超名曲『Golden Lady』(トラック4)
多くのアーティストがカヴァーしたヒット曲『Higher Ground 』(トラック5)
そしてエンディングを飾る、前向きながらも穏やかな温かさに満ちた、
『He’s Misstra Know It All』。。。。
例を挙げればキリがないのですが、どの曲も寸分の隙もなく、
1曲目から最後まで、聴き始めたらイッキに聴くことができます。
今の状況が、70年代当時のアメリカに近いという意見があります。
貧富の格差は広がり、民族や宗教問題、行き詰った政治など今なお出口の
見えない迷路をさまよっているかのようです。
そして、最近の痛ましい事件を見る度に、日本においても例外ではないと
強く感じてしまいます。
こんな閉塞して空気の中だからこそ、『Innervisions』の楽曲たちは
強烈なリアリティで、私たちの心に響くでしょう。
困難な状況の中でも、聴く者の「心の像」を映し出し希望へと導く。。。
自分の親や妻、そして子供、さらにはその子供たちに伝えていきたい
アルバムです。
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- 『Innervisions』Stevie Wonder(スティービー・ワンダー):心に映るもの - *Marquee Moon より


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